2018年12月15日の土曜日。この日は大阪にて、八百富写真機店さん主催による「PENTAXファンオフ会」が開催されたので潜入して参りました。

 八百富写真機店さんとは、関西最大のカメラ街がある大阪の梅田に本店を置くカメラ屋さんで、ペンタックスを強く推すことで有名なお店でもあります。そんな八百富さんが、リコーイメージングで各分野の責任者を務める方を招き、ファンを招いてオフ会をする……と聞き、申し込み開始と同時に応募、無事に参加できる運びとなりました。

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 参加者は全てで15人。リコーイメージング営業のNさん、ボディ開発責任者のWさん、レンズ開発責任者のIさん。八百富写真機店の社長さん、スタッフのOさん。そして八百富さんの呼びかけに応えて集まった熱い熱いペンタキシアンが10人。総計15人での開催となりました。ちなみに一般参加の方は、関西のみならず、岡山や金沢といった遠方からもおいでになられていました。

 リコーイメージングからおいでになられたNさんは、旭光学入社35年の大ベテラン。WさんはQシリーズ、Kシリーズを手がけておられる方です。Iさんは、リコー出身の方だそうで、GXR(!)の開発を主導された方でもあるそうです。Iさんはペンタックスのイベントなどでも、時折、登場されておられますね。なお、リコーイメージングスクエア大阪の名物スタッフAさんは「参加したかった……が仕事が……」ということで不参加でした。何やらスクエアでのスクール業務で星を撮っておられたようで。

 自己紹介タイムでは、それぞれが持ち寄った作例を披露。風景・星空はもちろんですが、今回は自動車・飛行機といったペンタックスが不得意とする分野も多く、さらにはポートレート、コスプレまで多種多様でした。

 実際に宴会が始まると、次々と登場するあれやこれや。

K-1

 まさかのペンタックスフルサイズ試作機・K-1!写真などではよく見かけますし、イベントでも時折展示されているのですが、まさかまさか触ることができるだなんて……。のっけから会場のテンションはMAXでございました!

 ……それにしてもK-1。本当にコンパクトなんですよね。10年以上前にこんなのが作られていたなんて驚きです。

DA11-18

 発売が延びに延びまくってる例のレンズ。DA☆11-18mm F2.8!ちゃんと動くんですよ、これ。撮影しちゃうとEXIFが残るので撮影はNGでしたが、実際に自分のカメラに装着できてしまうという。

 Iさん曰く「開発中のレンズを、一般の方に触って貰うのって初めて」だそうです。非常に造りも良く、AFもスムーズ。もうこれで充分、発売できるんじゃないかと思える完成度でした。

 そして他にもあんな話やこんな話が飛び出しまして。うろ覚えな部分も多いですが、覚書程度に書き記しておきます。

・K-3Ⅱの後継(進化系)について
 →絶賛開発中とのこと。ただし、細かな仕様や発売時期については一切の発言はありませんでした。

・昔アンケートであった「秒間15コマ連写、フルサイズ並のファインダー」のAPS-C一眼レフについて
 →「ああ、そのアンケート監修したの自分です」(Wさん)

・アンケートの自由記入欄で文字数が足りない
 →「確かに、そういう意見が出てる。アンケートのフォームの仕様については自分の範囲外……」(Wさん)

・「アンケートはもちろん、ネットの書き込みなどもチェックしてます」

・「来年のペンタックスの100周年記念、何が出るんですか?」
 →「さぁ……何かのシルバーモデルでも出るんじゃないですかねぇ(棒読み)」(Wさん)

・SNSに投稿、写真撮影は一切禁止のほにゃららが登場

・SNSに投稿、写真撮影は一切禁止のほにゃららが登場(その2)

・「LXデジタル、やりたいんですよ……」(Wさん)
 →まだまだ理想通りの形を実現するには、色々と難しいらしい

・「DA11-18mm。CP+の時に持って行って横浜で写真撮りたいな~(チラチラッ」
 →「が、頑張ります!」(Iさん)

・「Qシリーズと、Qのあのレンズについて」
 →とても辛そうな顔をされておられました(Wさん)

・「Qは日本ではよく売れたんだけどねえ」
 →どうも体格の良い人が多い海外では微妙だったっぽい。同じくパナソニックLUMIX GM1。

・「GXRについて」
 →「A12(ライカマウント)がよく売れた。そこかよっ!」(Iさん)
  「A12は最後まで売れたよね~」(Nさん)
  「ちゃんとライカに頭下げて作った」(Iさん)

・「旭光学に入社して35年。その間に6社を経験することに……」
 →旭光学、ペンタックス株式会社、HOYA株式会社、ペンタックスイメージング、ペンタックスリコーイメージング、リコーイメージングの6社

・「八百富さんとはSPを一緒に売りまくったんですよ」(Nさん)

・「いいですか?ミノルタのαよりも早くに一眼レフにAFを搭載したのはペンタックスなんです!世界で始めてAF搭載一眼レフを作ったのはペンタックス!それが、発表会でなかなかAFが合わなくて話題になったME-Fですね!」

・「(ピー)という暗黒時代があって」
 →ご想像にお任せします

・「海外の某社との共同開発の時、技術が流出しないように監視してたのが自分」(Wさん)
 →K-7の下りの所で登場

・「ペンタックスとリコーの人って、ぶっちゃけ仲悪いの?」
 →「そんなことはないですよ!」(リコー出身のIさん)

・「DFA☆70-200mm。レンズを研磨できる熟練技術者の方が退職しちゃったので、もう一度来て貰って、技術を指導して貰った。おかげで発売が一年延びた」

・「645Zにボディ内手振れ補正って無理なんですか?」
 →「難しいねぇ」

・「K-1のアップグレードサービスについて」
 →「54000円という値段は、下取り価格を考慮しての決定。あれ以上は高くできなかった。まさかあんなに申し込みが来ると思ってなくて、基盤が足りなくなってしまった」

・「アクセラレータユニット搭載機は、ノイズ処理の方向性が従来と変わってませんか?塗り潰し的な感じで」
 →「あれが本来やりたかったこと」

・「オートパワーオフの時、シャッターボタンを押してから復帰するまでのタイムラグが長いです」
 →「あれは長い(渋い顔」

・「ペンタックスのAF。他社に比べた遅いですけど、その分、精度が高いとかは?」
 →「動態の話?静態の話?静態におけるAF精度は問題ないように作ってある。動態はまだまだ課題が多いが、解決策が見えてきている」(Wさん)

・「新しい企画が出た時、初めに聞くのは『それ、本当に売れるのか?』ではなく、『それ、本当に使って楽しいか?』」(Iさん)
 →ユーザーの人が使って面白いと感じる製品でないと意味が無い、とのことだそうです。


 ……等々。最初から最後まで超大盛り上がりのハイテンションで、常に爆笑が絶えませんでした。

k-mount

 最後にはお楽しみ抽選回もありまして。リコーイメージングの各部署からガメてきたり、机の中から出てきたというものを大盤振る舞い。自分はKマウントのマウントの部品(指標の塗装もされていない)を頂きました!これは良い物ですよ……

 宴会が終わった直後には、スクエア大阪のAさんも駆けつけて来られて、それはそれは悔しそうな様子でございました(笑)


 それにしてもペンタックス。本当にカメラと写真が好きすぎる人たちが作って売ってという、自由な社風なんだなぁ……と思いました。あまりにフリーダム過ぎて「本当に大丈夫か、このメーカー!?」って思うぐらいです。こんな風にユーザーと開発責任者の方が面と向かってぶっちゃけトークにバカ話に華を咲かせるメーカー、他にはないでしょう……

 そんなこんなであっと言う間の二時間でした。PENTAX、最高すぎるでしょう。PENTAXに出逢えて本当に良かったです。PENTAXユーザーであることは、本当に楽しいことでございます!

 でも、まだまだ言い足りないこともあったし、伝え切れていない感謝があったのも事実。また、こういった機会があったら是非とも参加したいですね!